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参加型対談イベント「社会も少し変わればいいのに 」が開催されました

対談・講演会

2022年1月20日@オンライン

社会と向き合いシステムを少しずつ変えてきた先生方に、子どもたちの「変えてほしい」をぶつけ、みんなで考える参加型対談イベントが実施されました。対談相手は、「こども食堂」の普及・支援活動を続ける社会活動家の湯浅誠先生と、学校になじまないいろいろな子どもたちと学びながら「変わらなくてはいけないのはきみたちだけではない」と主張し続けている東京大学先端研の中邑賢龍先生でした。

おじさんの言い訳として始まった湯浅誠先生のお話。

さまざまな社会活動に取り組んできた湯浅先生。でも、「全ての人がごきげんに暮らせてないよね?」と子どもたちに語りかけ、「おじさんの言い訳をさせてください」から対談がはじまりました。道端で朽ちていく人をみて、「世の中なんか問題がある」「こんな社会でよいのか」と感じ、路上支援などの社会活動を始めたそうです。こういう人がほっとかれるなら、自分もいつか弾かれると感じるこの感覚は、障害のあるお兄さんとの経験から生まれたものかもしれないと語られます。 車椅子のお兄さんとの生活で、誰かにじろじろ見られるなんとも言えない嫌な経験から、日々見られている路上生活のおじさんの気持ちが理解できるかもしれないと感じたそうです。

こども食堂ってどんなところだろう?

社会活動の一つ、「こども食堂」は、公園みたいに誰が行ってもいい自由な場所。そこでは、1人でいてもいいし、みんなと食事しても良い。自分にできること、これならできることから始めることで、君たちも立派な「社会活動家」だとおっしゃいます。まずは、始める勇気、これがよいと応援する勇気が大切なんですね。

お二人の先生から大切なメッセージ 

先生方のお話の後、質疑応答の時間を持ちました。参加者からの質問と先生方の回答の一部をご紹介します。

・社会や学校に望んでいることは、自分でカリキュラムや先生を決めたい。先生にも評価をつけたい。飛び級やギフテッド教育が選べたり、自分にあった学びを自由に選びたい。  
→好きなことを好きなように学べることを認める社会になればよい。自分の好きな教科書を持って行って勉強したら良いよ。(中邑)

・こども食堂はお金いらないのですか? 
→子どもはタダで食べれるよ。(湯浅)

・教科書に書いてあることでない事をするとダメだと言われるのはなぜですか?
→先生は怖いんじゃないかな。「自分で考えて自分で行動していいよ」といったら、みんなが違うことを始めてしまう。それをまとめる自信がないんではないかな。いろんな点数があってよいね。100点でなくていいんだよ。(湯浅)

・学校の合唱コンクールは参加したくない人が多いのに、どうして参加しなくてはいけないのですか。なぜ、協力しなくてはいけないのですか。
→自分なり、それなりの楽しみ方があったらいいかもしれないね。社会や集団を観察する時間にあてたらいいかもね。(中邑)

最後に、お二人の先生から大切なメッセージをいただきました。
中邑先生からは、「いろんな人の視点で物事を見ていけると良いね。」「君たちは1人でない、声をあげて、少しずつ世の中を変えて行こう。」湯浅先生からは、「一億二千万人がご機嫌に暮らせるように問題ごとは周りが一緒に悩んで考える世の中にしたい」「問題意識を持つことは大事、実らないことがあるかもしれない。それでも続けていたら、多くの人にとっての課題だったんだ、と気づくことがある。」
先生方、素敵なメッセージをありがとうございました。

参加者の感想(一部抜粋)

・自分の思っている事を伝えられてスッキリしました

・小学校低学年から高校生まで幅広い子供たちの意見を聴くことができて、とても楽しく考えさせられる時間でした。子供たちが自分の気持ちをストレートに話すことができるのは、なんだかほっと安心させてくださる先生方の雰囲気が大きかったのかなと思います。昔と違い、最近の学校は常に時間ややることに追われていて、先生と子供達が雑談する時間も少ないように思います。今回のように地域や学校、学年の枠を超えてゆるく関わり本音を語り合える場を作れたら、と思いました。

・湯浅先生の今までの活動のお話はとても興味深く、そして中邑先生、湯浅先生のやりとりが楽しく時間を忘れました。学ぶということ、生きるということをどう考えるか。軸をたくさん持つという言葉が大人の心にも響きました。子どもたちの発言がどんどん増えていった過程も素晴らしいことでした。

                                                  

概要

・開催日:2022年1月20日
・開催時間:19:00-20:30 
・参加者 93名(渋谷区からの参加者:15名)

<湯浅誠> 社会活動家。東京大学先端科学技術研究センター特任教授。
      全国こども食堂支援センター・むすびえ理事長。
<中邑賢龍> 東京大学先端科学技術研究センター教授

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